CIAショックの日本版!?大手メガバンクがAWSを利用しようとしている件
日経新聞に「三菱UFJ、システムをクラウド化、大手行で初。」という記事があった。
何年か前に、アマゾンが、IBMなど何社かとの入札競争の結果、アメリカCIAと契約した「CIAショック」のニュースを思い出した。この件と同様に、三菱UFJがAWSを利用するというのは結構影響が大きい気がする。大手メガバンクが使うならうちも使おうという企業も出てくるだろうし、そうすると既存のサーバー納入業者の売上をそのまま持っていかれることになるわけだ。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は大手銀行で初めてインターネットで情報を保存して使用するクラウド方式に社内システムを刷新することを決めた。サービスを提供する米アマゾンと契約を結んだ。
社内システムだったらクラウドサービスでなくても別に良いと思うけど、何か意味はあるのかな?
5年で百億円規模のコスト削減に加え、金融にIT(情報技術)を活用したフィンテック分野の業務にも迅速に対応できるようになる。
100億円規模のコストを削減できる根拠はあるのかな?今まで使っていたハードがなくなる部分のことを指摘しているのだろうか?逆にいうと、今までサーバーを納入していた業者の売上が100億円減るということだ。
「フィンテック分野の業務にも迅速に対応できる」根拠は何だろう。サーバー関連業務に関しては今までと比べたら楽になると思うけど、クラウドにしたから対応が迅速になるというのは空想に過ぎない気がする。ソフトウエア部分の開発速度が変わるわけでもあるまいし。
社内システムでしか使わないなら、顧客には関係ないけど、今後は顧客向けのサービスにもAWSを使用するということかな。
邦銀はシステムの使いづらさが弱点とされる。新たな機能の追加を繰り返して複雑になり、フィンテックなど次世代サービスへの迅速な対応が不安視されていた。
「新たな機能の追加を繰り返して複雑になり」とあるけど、サーバーを移行した所で、その機能は用意する必要があるのでは?そうすると、結局複雑なままになるけど。
既存のプログラムをそのまま使うか、既存のシステムを解析してフルスクラッチするかのどちらかになると思うけど、それはそれで非常に大変そう(・_・)
まず市場調査やフィンテック対応のためのシステムをクラウドにする。クラウドを使うと、新たな機能を追加する際もサーバーを新規導入する必要がない。このため従来は約4カ月かかった見積もりからシステム構築までの期間を約1カ月に短縮できるという。
サーバーを新規導入する必要がないのはその通りだ。ていうか、今まで新たな機能を追加するために、都度サーバーを新規導入していたのか?
今まで、見積もり⇒システム構築が4ヶ月かかっていたけど、1ヶ月に短縮できるというのはどういうことだろう?ソフトウエアの開発自体はAWSだろうが他のサーバーだろうが基本変わらないと思うけど。そうすると、開発自体は1ヶ月で、サーバーの選定・導入だけに3ヶ月かかっていたということになる。
(4ヶ月も要件次第だと思うけど・・・)
三菱UFJの広報なのか日経に記者なのかわからないけど、システム開発について全く見識が無いと思ってしまうような内容だ(・_・)
MUFGは銀行や証券会社など傘下のグループ会社がそれぞれデータセンターを保有している。今後はグループのシステムをクラウドにして共通化し、業態をまたいだサービスも開発しやすい環境を構築する。
コスト削減で浮いた経営資源を次の戦略的なIT投資に振り向ける計画だ。同時にクラウドなどを活用できる専門人材の育成にも注力する。
これからもAWSの利用を進めていくようだ。サーバー売ってきた会社からしたら大打撃だな。
「クラウドなどを活用できる専門人材の育成にも注力」するとは、三菱UFJ自身がエンジニアを抱えるということなのかな?
今回のAWSに移行する業務は誰がやるんだろう?結局、今まで使ってきた下請け業者がやるのではないのかな?
今回のニュースを見た感じだと、中身がないような感じもしてしまうけど、何れにせよ、大手企業がAWSなどの比較的新しいサービス(実際は特に新しく無いと思うけど)を使うことは、大きな前進で良いと思う。
今までぶら下がってきた業者には痛手だと思うけど。
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