DCF法でバリュエーションを行うメリットとデメリットについて考察する件
DCF法とは、将来のフリーキャッシュフローを現在価値に割り引くことで企業価値を算出する、というバリュエーション方法の1つです。
下記のマッキンゼー本が有名です。
企業価値評価 第6版[上]―――バリュエーションの理論と実践
- 作者: マッキンゼー・アンド・カンパニー,ティム・コラー,マーク・フーカート,デイビッド・ウェッセルズ,マッキンゼー・コーポレート・ファイナンス・グループ
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/08/26
- メディア: 単行本
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企業価値評価 第6版[下]―――バリュエーションの理論と実践
- 作者: マッキンゼー・アンド・カンパニー,ティム・コラー,マーク・フーカート,デイビッド・ウェッセルズ,マッキンゼー・コーポレート・ファイナンス・グループ
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/08/26
- メディア: 単行本
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上記の本を完璧に理解するのは大変ですが、実用的な部分だけを株式投資で使うという目的で、DCF法でバリュエーションした結果をnoteに公開しています。
DCF法でざっくり一株あたりの株主価値を把握するノート
※DCF法で一株あたりの株主価値を算出して株価と比較することで、割安・割高・フェアバリューかを判断できます。
DCF法でバリュエーションするメリットは、
・DCF法でバリュエーションを行う過程で、その企業のことを数字上の面から理解することができる
・あきらかに割高であると考えられる水準の株価で買うことを避けられる。結果、損をしないで済む可能性が高くなる
・あきらかに割安であると考えられる水準の株価で買うことができる可能性がある。
ということだと思います。
デメリットとしてよく挙げられるのは、
・将来を予測するわけだから不確実なものである
・資本コストの大きさ次第で企業価値が大きく変化してしまう
ということがありますが、将来が不確実なことはわかりきっていることで、あくまであきらかに割高・割安を判断するためのツールだと考えています。
また、資本コストで企業価値が大きく変化してしまうからこそ、経営者の言動・IR活動により資本コストを引き下げる事が重要であるということを理解することができ、そのような活動を行っている企業なのかどうか判断するようになります。
まともな企業は、株主に信頼してもらい、過度な期待はさせないようにしています。ジェフ・ベゾスは株主向けの手紙で同じ事を一貫して訴えていますし、facebookやアルファベット(旧グーグル)は成長率はいずれ鈍化すると自ら宣言しています。「時価総額XX兆円を目指す」などと言う経営者とは次元が違うわけです。DCF法を通して経営者の発言やIR対応が適切なものかどうかを理解できるようになります。
最後に、実務上はできるだけ正確に将来を予測しようとしたり、細かい数値の設定にこだわると思いますが、正直無駄なことではないかと思います。
ウォーレン・バフェットが述べている中で、
素晴らしい企業をまずまずの価格で買うことの方がはるかに良い。
DCF法は、素晴らしい企業かどうかを判断するための一材料、まずまずの価格かどうか を判断するための一材料になります。
正確に間違うより概ね正しい事のほうが良い
理論やリサーチを突き詰めていっても間違うことがあるわけで、DCF法はざっくり価値を把握するための有用なツールという位置づけです。
☆☆ noteご紹介 ☆☆
DCF法でざっくり一株あたりの株主価値を把握するノート
※DCF法で一株あたりの株主価値を算出して株価と比較することで、割安・割高・フェアバリューかを判断できます。