りょうちんのシンプル思考日記

投資・ビジネス・テクノロジー・スポーツなどについて、日々のインプットをシンプルにアウトプットすることを目指すブログ

メタップスの決算発表からIFRSの見方を考える件

f:id:pull-up:20170120203123j:plain

タップスの決算が話題になっていた。

IFRSに移行したから会計上の営業利益が発生したということだ。

kabumatome.doorblog.jp

 

 

タップスが開示した決算情報

今回IFRSに移行とうことで「関係会社株式売却益等」が営業損益計算区分に計上されていて営業利益が出ているけど、日本基準なら特別損益計算区分になり、その分が計上されず営業損失になるわけで、会計上の営業利益を誤魔化したいのではないかということのようだ。

 

 メタップスを今どうこう言っても、今後どうなるかはわからない。大化けするかもしれないし、インチキ企業になっていくのかもしれない。まあ、ちゃんと会計基準に準拠しているわけでインチキではないけど、もっと親切な表現を使ったほうが良いとは思う。また、今は大企業になった企業も、成長の過程の中で、合法の範囲内で会計上の利益を大きく見せてきた企業もある。そういう企業がこれからどうなるのかはわからないけど。

ただ言えるのは、元々会計上の利益はあまり当てにならなくて、IFRSだと更に当てにならないということだ。

 

売上高の数値に影響大な商社のIFRS 

上記のページに、双日IFRS導入時のPLの影響を載せているということが書いてあるけど、他の商社も丁寧に載せていると思う。商社の場合、売上高の数字への影響が非常に大きいということがあると思う。

双日

https://www.sojitz.com/jp/ir/individual/ifrs/pdf/plbs02.pdf

IFRS導入(解説編)|双日株式会社

IFRSでは、当社が在庫リスクや価格変動リスクを負わない代理人取引については、手数料収入の部分のみを収益として計上するため、日本基準の売上高に比べて減少します。

 要は商品を右から左に流す場合は、日本基準だったら左に流した時の金額そのものが売上高になるけど、IFRSだと右から左に流した時の差額のみが売上高になるようなイメージだ。

その結果、売上高は2013年3月期で言うと、日本基準だと39,559億円でIFRSだと17,478億円となり半分以下になってしまう(売上原価も同様に変わるので、売上高総利益は基本変わらない)。この見た目の影響が大きいから丁寧に説明したくなるのだと思う。

 

IFRS適用企業をDCF法する場合の注意点

noteで「DCF法でざっくり一株あたりの株主価値を把握するノート」を書いているけど、DCF法を使う時はIFRSの場合は要注意だ。

ファーストリテイリングIFRS適用企業だった。

note.mu

 

DCF法を行う時に使いたいキャッシュの数字というのは、本業から得られるキャッシュを使いたい。よって、営業利益からNOPLATを求めて、ROIC・グロースキャッシュフロー・フリーキャッシュフローを導いてきた。

しかし、日本基準なら営業利益が本業から得られた利益と言えるのだけど、IFRSになると今回のメタップスで言えば関係会社の株式売却益が営業利益に計上されたりしてしまうので、IFRSではそのまま営業利益の数字を信用して使うことはできない。

そこで、ファーストリテイリングの時は、

NOPLAT = (営業利益-その他収益+その他費用) × (1 − 税率)

 と、営業利益からその他収益を引いて、その他費用を足し戻した数字を本業から得られた営業利益としてバリュエーションを行っている。

 

まとめ

個人的には、IFRSは嫌いだ。IFRS有価証券報告書を見てみると、欲しい数字を取得するのに、いちいち面倒なことがある。

また、元々会計上の利益はあまり信用できないけど、IFRSでは更に意味のない数字という感じがする。例えばのれんの償却については、経営者の意向である程度操作出来てしまうのではないかと思う。だったらまだ定額償却の方がマシだ。

ということで、企業を見る時は、あくまでキャッシュに着目することに重点を置いて判断するのが良いと思う。キャッシュで見ればIFRSでも日本基準でも同様の判断が出来ると思う。

 

☆☆ noteご紹介 ☆☆

DCF法でざっくり一株あたりの株主価値を把握するノート

※DCF法で一株あたりの株主価値を算出して株価と比較することで、割安・割高・フェアバリューかを判断できます。

note.mu

広告を非表示にする