りょうちんのシンプル思考日記

投資・ビジネス・テクノロジー・スポーツなどについて、日々のインプットをシンプルにアウトプットすることを目指すブログ

SIのビジネスモデルの変化について

ZDNet Japanにセゾン情報システムズという会社のCTOのインタビュー記事があった。色々言いたいことがあるのだろうという印象だ。

japan.zdnet.com

ちなみにこの会社は、システム開発案件の遅延のために、クレディセゾンと同社子会社であるキュービタスから損害賠償を請求されていて、2016年3月に和解金をセゾン情報システムズが支払うことで解決している。

itpro.nikkeibp.co.jp

インタビューやニュースの記事を読んでも、外部の人間の想像にすぎないけど、この損害賠償はどの会社が悪いのかどうかわからない。 結局、セゾン情報システムズセゾングループなわけで、同じグループ内だからとりあえず和解金ということで終わりにしようということなのかもしれない。連結で見れば、キャッシュは変わらない。というか争いが長引けばただただセゾングループとして弁護士費用などでキャッシュが出て行くだけで無駄だ。一方、セゾン情報システムズではないグループ外のSIだったら、お互い引かずに争い続けるのではないかと思う。スルガ銀行日本IBMのように。

このインタビュー記事をざっくりまとめると、

・頭数を揃えて一人月XXX万円という人月ビジネスはもう無理

ペインポイント(悩みの種)とホワイトスペース(既存のサービスが開拓できていない領域)」を見つけてリスクを取ってビジネスしよう

・でも、ずっと人月ビジネスをしてきた人達は思考を変えるのは難しいだろう

・でも、やっていこう

ということのようだ。

結局、クラウドサービスが浸透していくと、そのクラウドサービスを開発しているエンジニアだけが必要で、優秀な少人数チームで開発すれば良い。しかもそれがセルフサーブで済むなら基本営業人員もいらない。AWSが正にそうで、従量課金制や月額定額制でサービスを提供すれば、アップサイドは無限だ。シスコは業態変更しようとリストラクチャリングを行っている。

www.itmedia.co.jp

また、クラウドサービスではなくても、パッケージソフトでも同じと言えると思う。ただし、そこには先行投資というものが必要で、そこにリソースを投入できるどうかだけど、それが人月ビジネスをやってきた人達には難しいのだろう。確かに今まで入ってくるキャッシュがわかっている状態で商売していて、そこからいつキャッシュが入ってくるかわからないという商売に変更するのは不安でしょうがないと思う。

ユーザー側の視点から見ても、最新の技術を安価に利用できるならメリットがある。ただ、基本的に日本企業は業務に合わせてシステムを開発する伝統があるように思うので、クラウドサービスなどのようなシステムに合わせて業務を変える、というのは今の所難しいのかもしれない。このユーザー側とSI側の微妙なバランス関係が保たれているから未だに人月ビジネスが成り立っているように思う。

で、うかうかしているとアマゾンやマイクロソフトやグーグルに軽く持っていかれる可能性がある。マイクロソフトはトップがThe文系のスティーブ・バルマーから、The理系のサティア・ナディアに変わって、思いっきりビジネスモデルが変わった。思考を変えるより、人を変えてしまったほうが早いよね。

 

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