ブラックベリーはソフトウエアの会社として息を吹き返すかもしれない件
日経産業新聞に「ブラックベリー赤字縮小、スマホ減収でも経費圧縮、12~2月。」という記事がありました。
まだアップルがスマホを出す随分前に、カナダのリサーチ・イン・モーションという会社が、ブラックベリーというキーボード付きの高性能携帯を出して一世を風靡していました。(会社名は、リサーチ・イン・モーションから商品名のブラックベリーに2013年に変更しています。)
しかし、iphoneやandroidが台頭してきたことにより、どんどん業績が悪化していきました。
実際、株価は2007年に230ドルの高値をつけた後、ここ5年間程度は10ドル前後を行ったり来たりと、95%以上下落しています。
終わった会社のようなイメージでしたが、日経産業新聞の記事によると、ハードウェアの会社ではなく、ソフトウエアの会社としてまだ生存していけるような内容でした。
2016年12月~17年2月期決算は、最終損益が4,700万ドル(約52億円)の赤字と、前年同期の2億3,800万ドルの赤字から赤字幅が縮小したようです。これは研究開発費や販管費を圧縮したことによる影響が大きいようで、あまり喜ばしいことではないですが。。。
スマートフォン事業はあいかわらず大幅減収のようですが、ソフトウエア・サービス部門は前年同期比39%増で、現在の売上高の6割以上を占めるようになったようです。
ジョン・チェンCEOが言うには、「ソフトウエア事業は高成長を続けており、18年2月期通期は実質ベースの最終損益とフリーキャッシュフローで黒字転換できると見込んでいる」とのこと。来年度の決算は期待できるのかもしれません。
昨年、スマホ端末の自社開発・生産の打ち切りを発表しており、現在はソフトウエア開発に集中しているということで、生存していくには「選択と集中」「変化への対応」というのは本当に大事ですね。
下記の画像は、ブラックベリー社のIR資料からの抜粋です。
世界中のどの地域でも、前年比では売上高は下がっているようです。厳しいですね。ただセグメント別で見ると、「Hardware and other」と「Service access fees」は急減しているものの、「Software and services 」は毎年着実に伸びています。アメリカ内で展開しているソフトウエアサービスが伸びているのでしょう。
今後、どのような展開になるのか、非常に興味深いです。
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