ロボットアドバイザーを始めたベンチャーが業績を順調に伸ばしている件
日経新聞に「ロボアドVBに成長の壁、相次ぐ大手参入、規模拡大急ぐ」というタイトルの記事があった。
またtechcrunchの記事にも伸びているという趣旨の記事があった。
上記の画像はWealthNavi for SBI証券」の申込件数及び残高推移だけど、大手証券会社と組んだ結果が大きそうだ。
順調に右肩上がりで伸びているみたい。
テオはスマートフォン(スマホ)でいくつかの質問に回答すると、その人がどこまでリスクを受け入れられるかなどを判定して、最適とみるポートフォリオを提案する「ロボットアドバイザー」サービスだ。
この1年で2万を超えたテオの申込者のうち、約9割が投資未経験層だという。昨年12月末時点の預かり資産残高(時価ベース)は約40億円に達した。
テオというのは「お金のデザイン」という会社のサービス。手数料は1%らしい。40億円の1%ということは、「お金のデザイン」自体の売上は4,000万円程度ということだろう。役員が4名程度で社員が20名程度なので、とりあえず大赤字っぽい。資本金が1億円で、資本準備金が3,253,818,989円ということで、当面潰れることはないだろうけど。
顧客の過半数は20~30歳代。金融資産500万円未満というのは、ねらいどおりとはいうものの「年間の投資額が数万円から数十万円で、売買もしない若年の資産形成層向けのサービスは収益にならない」(大手ネット証券幹部)という課題に直面している。
今年からは地方銀行8行と連携し、窓口経由の勧誘なども増やし、顧客層を広げていく考えだ。
大金持っている人をカモにしないと儲からないということを、大手証券会社の人が言っているみたい。 とりあえず地銀は押さえたらしい。
昨年7月にロボアドサービスを開始した「ウェルスナビ」は顧客からの入金から出金を差し引いた預かり資産の残高が3月末時点で約80億円に達した。成長を後押ししたのは、1月以降に始めたネット専業のSBI証券や住信SBIネット銀行との連携だ。お金のデザイン同様、営業では既存の金融機関に頼る構図は強まっている。
ウェルスナビの方は80億円程度の預かり残高。こちらのサービスも手数料が1%なので、ウェルスナビ自体の売上高は8,000万円程度のようだ。こちらは、資本金と資本準備金を合わせて 21億5,425万円らしい。経営陣が9名で社員数は不明。まあ、こちらもとりあえずは大赤字っぽいな。「お金のデザイン」とは違うのは、既に大手証券会社と組んで事業を進めていたので、預かり残高が多いっぽい。
ロボアド・ベンチャーが成長を急ぐのは、資産運用ビジネスでは最終的に規模のメリットがモノを言うためだ。同じ「お任せ運用」の分野で急成長するファンドラップが大半を占める投資一任契約のラップ資産残高は、昨年12月末で6兆円を超えた。1年間で約7000億円増えた。
結局手数料ビジネスなので、とにかくカモを探して預かり残高を大きくしたい。 大手金融機関が売っているファンドラップが6兆円と大きいのは予想外だ。お年寄りを確保してきたからかな?ロボットアドバイザーは若者をターゲットとしているのでまだまだということだろうな。
ベンチャーが切り開いてきたロボアドの世界でも、野村証券やみずほ銀行など大手の参入が相次ぐ。内にも外にも大手という強敵がいる中で、一段の成長をめざすには、矢継ぎ早に次の一手を打ちだしていく必要がある。
大手証券会社自体も自社でロボットアドバイザーのサービスを提供している。競争は激化する。
買う側の視点からすれば、「資産を増やす」ことが目的なので、それを達成してくれるサービスなら良いわけだ。手数料3%でも運用で10%増やせればトータル7%のリターンだし、手数料1%でも運用で5%しか増やせなければ4%のリターンしかない。手数料は安いに越したことはないけど。
でもアルゴリズムは良いものを取り入れていこうとするわけだから、そうすると最終的にはみんな同じようなものになるんだろうな。そうすると手数料しか差別化する所がないかな?
まあ、サービス提供者側には、自分達が手数料を稼ぐことだけを念頭に置いて仕事せずに、投資家にとってプラスになるように考えて欲しいな。
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