りょうちんのシンプル思考日記

投資・ビジネス・テクノロジー・スポーツなどについて、日々のインプットをシンプルにアウトプットすることを目指すブログ

東芝の時価総額は半導体という1つの事業の価値よりも低い件

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日経産業新聞に「東芝、残る事業は無価値?―既存株主へ説明責任を」という記事があった。

東芝時価総額半導体事業の価格を比較すると、時価総額の方が低いという話だ。単純な算数の話で、現状だと半導体事業以外の事業が企業価値を大きくマイナスに引き下げているという状況ということだ。

 

東芝は24日、半導体モリー事業の分社を正式決定した。新会社株の過半数を売却する方針で、東芝側は出資に関心を持つ企業に対して「事業価値を2兆円以上」という条件を提示する。ただ東芝時価総額は24日終値で9500億円足らず。切り出す事業が2兆円ならば、単純計算で東芝本体に残る事業価値はマイナス1兆円となる。

 半導体事業の事業価値は、一般的なファイナンス理論で算出するならば将来のフリーキャッシュフローの割引現在価値合計で求められていると思う。2兆円というのは東芝の希望なので、割引率やキャッシュインフローが甘かったりするのかもしれないけど。

そして、半導体事業が2兆円だとしても、時価総額から計算すると、他の事業全ての事業価値の合計がマイナス1兆円ということだ。他の事業と言っても、利益を出しているものもあるだろうから、主には原発事業が大きくマイナスに押し下げていることになると思う。ただ原発事業に関してはそんなものでは済まない感じもするけど。

 

かつて田中久雄元社長は自社の株価が低い理由を「コングロマリット・ディスカウント」と説明したことがある。事業領域が多岐にわたり優良事業の価値を正当に評価されていないという主張だ。東芝側が設定した「メモリーの価値は2兆円以上」の前提で今の東芝時価総額を見れば、原発事業が足を引っ張る形で「本体に残す事業は無価値」と株式市場に評価されていることになる。 

コングロマリット・ディスカウントについては、ソフトバンク孫正義氏も言及していたと記憶がある。でもこれは経営者の怠慢な気もする。本当に本来の価値からディスカウントされているのか、そもそも市場で受けている評価が本来の価値ではないのか、どちらが正しいのか難しい所だけど、ディスカウントされていると判断するのであれば大規模な自社株買いをするなど市場へシグナルを鳴らしていくのが良いと思う。

ソフトバンクについては、アリババ株の含み益よりもソフトバンク時価総額が低いわけで、それはスプリントのせいだと思うけど、ソフトバンクのスプリントが、東芝原発事業と同じように足かせになっているわけだ。スプリントを売ってしまえば株価上がるんだろうな〜。

また、ソフトバンクについては、大きくリスクを取ることが多いため、WACCを非常に高く見積もられてしまうのではないかと思う。株主資本コストは抽象的な概念という側面もあると思うけど、アマゾンのジェフ・ベゾスのようにきちんとした株主教育をすることで、できるだけ低くする努力が大事だと思う。

 

東芝は穴埋めのために収益力の高い優良事業を切り出す決断を下した。メモリー新会社を高値で売却できたとしても残るのは売却で得た現金と原発事業を抱え“値引き”された事業体のみ。稼ぎ頭を失った東芝株を持ち続ける既存株主への説明責任を満たす理屈は見えない。

確かに半導体事業を売ったあとの東芝の未来への道筋は全く見えないな(・_・)

今、色々な人が色々なシナリオを必死に練っているんだろうな。。。

 

 

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