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りょうちんのシンプル思考日記

投資・ビジネス・テクノロジー・スポーツなどについて、日々のインプットをシンプルにアウトプットすることを目指すブログ

ROEの向上を謳うのは微妙だと思うけど、長期的視点は大事だと思う。

日経新聞の社説で、「企業は長期の視点でROE向上目指せ」という記事があった。

 

企業が資本をどれほど効率的に使っているかを示す「自己資本利益率(ROE)」という財務指標が、日本で定着してきた。中期経営計画の中で「ROE10%以上」といった目標を掲げる上場企業も、増えつつある。

 昔から言われていて、今更定着というのもおかしい感じがする。企業側が提示する10%以上という数字の根拠は何だろう(・・?

 

ROEは、アベノミクス(安倍首相の経済政策)の一つである株主重視の企業統治コーポレートガバナンス)が徹底されているかどうかを示す指標でもある。現在、日本企業のROEはおよそ8%と米企業の半分程度だ。満足すべき水準ではない。

 企業統治については、ログミーに良い記事があった。伊藤レポートのことを簡単に説明してくれている。

投資家が今買うべき株とは ひふみ藤野英人氏が解説 - ログミーファイナンス

また、日本企業と米企業のROEを単純に比較するとおかしくなる。ROEは、当期純利益を株主資本で割って計算して算出するわけだけど、当期純利益を算出するまでの会計処理が日本とアメリカで違うわけだ。特に、のれんの償却のある無しは大きいと思う。日本の会計基準では、のれんは定額償却されるけど、アメリカの会計基準では、定額償却ではなく減損処理だけだ。のれんの償却分のマイナスが当期純利益に影響するわけで、単純に数字を比較すると日本企業の方が低くなってしまうのは当然だ。

そもそもROEなら、まだROAの方が良いと思うし、もっと言えばROICで判断すべきだと思う。

 

 まず欠かせないのは経営者と株主との対話だ。株主がどの程度の資本効率を求めているかを知る必要があるからだ。企業に求められる最低限の資本効率を資本コストといい、ROEはこの水準を上回らなければならない。

企業に求められる最低限の資本効率を資本コスト」というのは普段DCF法でバリュエーションする時に用いているWACC(加重平均資本コスト)のことだ。この記事では、株主資本コストと有利子負債コストを意識していない感じがしてわかりにくいけど。株主が求めるのは株主資本コストのことだ。あと本来上回らないといけないのは、ROEではなくROICだ。ROIC - WACC スプレッドがプラスでないと、その事業は企業価値を毀損していることになる。

 

日本企業の平均資本コストは約8%とされるが、企業間の差は大きい。情報開示の良しあしなどによっても変わる。自社の資本コストをきちんと把握しないままROE目標をかかげても、株式市場の評価は高まらない。

日本企業の平均資本コストは約8%とされるが、企業間の差は大きい。」とあるが、その通りだと思う。トヨタとgumiで資本コストが同じわけがない。資本コストを決めるパラメーターは色々あるわけだけど、大きな要因は「信用」というものだと思う。不確実で数値化できないものだ。だからIRで信用力を高めて資本コストを低くするべきなのだけど。

自社の資本コストをきちんと把握しないまま」の企業が大多数だろうと思うけど、以前聞いたことがあるのは、総合商社はその辺りがきちんとしていて、資本コストをハードルレートとし、それを上回るだろうと予測される案件にしか投資しないと決めているらしい。結局、将来の予測だから、資源のように大きく外すことも多々あるだろうけど、意識しないよりはマシだと思う。

 

長い目でみてROEを高めるには、成果が出るまで時間がかかる研究開発や設備投資も積極的にすすめなくてはならない。短期的な利益を求めて投資や雇用、賃金を犠牲にすれば、収益力はいずれ衰えてしまう。
 企業が株主に伝えるべき経営情報は多面的になってきた。業績や財務に関する情報だけでなく環境対策や働き方改革、性的少数者への配慮なども問われる時代だ。経営者がROEに象徴される財務指標だけを重視すると、情報開示の間口が狭くなり株主の信頼も失いかねない。
 ROEの考え方が広がったことをきっかけに、総じて日本企業は株主との意思疎通に積極的になった。多様な株主の求めに耳をよく傾けながら、資本を有効に使う経営を徹底すべきだ。

 長い目で見てROEを高めるために、資本を最適に配分するというのはその通りだけど、サラリーマン経営者にはそれができないというのが上記のログミーの内容にある。結局、自分がババを引かないような振る舞いをするというインセンティブが働いてしまうのだろう。余分なことをせず、通常運転さえできれば残りの人生が安泰なわけだ。そう考えると、オーナー経営者やプロ経営者と呼ばれる人が経営している会社に投資したくなる。

また、「多様な株主の求めに耳をよく傾けながら」とあるけど、株主側もまともである必要がある。株主総会にはクレーマーのような輩もたまにいるけど、そんなのに耳を傾けていたらキリがない。ウォーレン・バフェットバークシャー・ハサウェイの株主への教育を徹底している。株主総会で、質疑応答に何時間も答えることで、株主を教育しているわけだ。日本電産の永守社長は、しょうもない質問が来ると、その株主をバッサリきってしまう。ドリームインキュベータは、毎年株主との質疑応答をホームページに載せているけど、まともな株主が多い印象だ。

 

結局は、経営者も株主も真っ当な知識を持って、長期的に継続する企業を合理的に運営できるのが良いと思う。それがお互いの利益になる。

 

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DCF法でざっくり一株あたりの株主価値を把握するノート

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